
アメリカ ニューヨークの賑やかな通りを歩いていると、突然
耳元で、”誰がいるの?” ”誰がいるの?”と言う女性の声が聞こえてきます。
おやっと思い、立ち止まると、
”これは現実よ”とまた女性が囁きます。
実はこれ、ビルの屋上に設置されている
ホロソニック社が販売している装置、
”オーディオ・スポットライト”がもたらす効果で、超常的な何かが頭の中で囁いているのではなく、
頭の中で囁かれているように聞こえるようにする技術の一つです。
”オーディオ・スポットライト”の技術自体は、2002年に
ジョセフ・ポンペイ氏が発表したもので特に新しいものではありませんが、この技術を
街頭の宣伝に応用しようとしたのはなかなか新鮮です。
ニューヨークのような大都市の人ごみの中で、
大音響の宣伝が鳴り響けば苦情が殺到することは容易に想像ができますが、この装置を利用すれば、冒頭のように
特定の場所に差し掛かった人にだけ、しかも
極至近距離から音が発せられているように聞こえます。
これにより、
宣伝主らは自分達の領域を完全に確保できるようになり、道行く人達は
あらゆるところから鳴り響く雑音に苛立つこともなくなります。
と言うのが、開発者のポンペイ氏の見解です。

ただ、
音源がどこになるのか分からないのに耳元で音が聞こえることに対して、何も知らない
人々がどう思うのかは未知数で、世間一般に受け入れられる手法であるのかどうかはまだ分かりません。
この技術は米軍が
兵器に応用できないか検討中であったり、車両に搭載して
前部座席の両親と後部座席の子供達とで違う音楽を楽しんだり、博物館や美術館等で
周りの人の迷惑にならず、展示物の説明文を流したりと言ったことに
既に利用され始めてています。
今回のニューヨークでの試みは
超常現象を取り扱うドラマの宣伝で、耳元で囁く声はまさにうってつけと言えます。
一つ心配なのは、日常生活のストレスの多さが原因なのか、
頭の中で声がすると言う人が現実に増えている社会だけに、何か
深刻な副作用をもたらす可能性を否定できないことです。